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「バルコニー」

エドワール・マネ(1868年)

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 マネがブーローニュで休暇をとっていた時に、たまたまバルコニーにいる人たちの様子が印象に残り、この絵の構想を得たといいます。

 画面の前面にあるバルコニーのグリーンが美しく、その後ろの二人の女性のドレスが白で、その鮮やかな対比がとても印象的です。右側の女性の持っている傘と帽子のリボン、左側の女性のチョーカーのリボンもバルコニーと同色のグリーンが使われていて、とてもオシャレにまとめられています。また、その後方のよろい戸もほぼ同色で、それが画面全体を引き締め、しかもやさしい雰囲気を醸し出しています。こんなところにも、マネのセンスの良さが光ります。

 ところで、この絵のモデルをつとめているのはベルト・モリゾで、彼女自身もやさしい印象派風の絵を描く才能豊かな画家でした。マネは、ベルトとその妹に紹介された時から彼女の美しさに感激し、以来、しばしば彼女はマネの絵のモデルとなっています。
 マネに戸外で絵を描くようにすすめたのもベルトであると伝えられています。お互いにアドバイスし合うことも多かったようですが、ベルトがマネの弟ウージェーヌと結婚してからは、画家とモデルという付き合いは途切れたようです。それでも、二人は良い友人同士であり、良い画家仲間であり続けました。

★★★★★★★
パリ、 オルセー美術館蔵



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