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「ピアノの前の少女たち」

オーギュスト・ルノワール (1892年)

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ここをクリックすると、作品のある
「WebMuseum, Paris」のページにリンクします。

 ピアノの前でじっと譜面に見入る二人の少女・・・。
 ルノワールの絵をとり上げて、どれもこれも日本で有名な・・・と紹介するのも芸のない話ですが、この作品も、目にしたことのある人は多いと思います。
 淡くやさしい色調でまとめられた室内の明るさ、姉妹らしい二人の少女の真剣な、でも楽しそうな眼差し、豊かな髪とバラ色の頬・・・どれをとっても美しい、ルノワールならではの世界です。

 印象主義から離れ、うす塗りの色彩を重ね、光の効果を失わずに質感の滑らかな美しさを表現するようになったルノワールは、室内の娘たちを主題にした作品を多く描くようになります。その中でも代表的なこの作品は、当時美術学校を経営していたアンリ・ルージョン校長が、詩人のステファン・マラルメにすすめられて国費で購入しました。

 このころの私信でルノワールは、
「わたしは穏やかで、軽やかな音の絵に戻ることにしました。もう二度と離れないつもりなのです。・・・何も目新しいものではなく、18世紀の絵の続きです。・・・あまりうまくないフラゴナールというところでしょうか」
と、その心境を淡々と述べています。

 絵を描くことがとにかく好きで、私生活でも特別なドラマのなかったルノワールが、生涯でたった一度おちいったスランプから立ち直り、印象派を脱却して、彼独自の内的安定を得た頃の、はつらつとした作品です。
 新進画家だったモーリス・ドニは、
「彼は自分の感情や、あらゆる自然や夢を彼なりの技法で表現している。彼は自らの歓喜の目で、女性と花からなる見事な花束を作り上げたのだ」
と、ルノワールを評価しています。

 1870年生まれの若い画家にまで、このように関心を寄せられたルノワールは、現在に至るまで、たくさんの人々に愛され続けています。

★★★★★★★
パリ、 オルセー美術館蔵



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