• ごあいさつ
  • What's New
  • 私の好きな絵
  • 私の好きな美術館
  • 全国の美術館への旅

「傘」

オーギュスト・ルノワール (1881年)

ジャンプ

ここをクリックすると、作品のある
「CGFA」のページにリンクします。

 明るい色彩が特徴のルノワールにしては、めずらしくブルーを多用した、情緒あふれる作品です。
 こちらに視線を向けている右側の少女の愛らしさは本当にルノワールならではの良家の子女ふうで、左側でやはり視線を投げかけてくる女性は買い物へ行く途中でしょうか、バスケットを持って軽やかに歩いています。
 また、先ほどまで雨が降っていたらしく、傘を畳みながら空を見上げている人もいれば、まだ傘をさしたまま急ぎ足の人もいて、なぜか同じ色の傘が、それぞれに楽しげな表情をつくって、右に左に揺れています。

 この年の三月四日、ルノワールはそそくさとアルジェに旅立っています。そして四月半ばに帰るまでの間に、精力的に風景画やアルジェリアの女性たちを描きました。この作品は、そんな旅の興奮が一段落してから制作され始めたものらしく、右側が1881年、左側と上部は1885年に、より乾いた技法で描かれ、完成しています。

 ブルーの濃淡が美しく、透明感のある画面からは、「私にとって絵とは、好ましく、楽しく、きれいなものでなければならないんだ」と語ったルノワールらしい、香るような幸福感が伝わってきます。

★★★★★★★
ロンドン・ナショナルギャラリー蔵



page top