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「七月二十八日(民衆を導く自由の女神)」

ウージェーヌ・ドラクロワ (1830年)

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 これは、政治的関心の薄いドラクロワにしては珍しい、七月革命の現場をテーマにした作品です。
 ドラクロワ自身がこの動乱をじかに見たわけではないのでしょうが、一応、現実の光景を描いているという意味で、特筆すべき作品です。

 1830年7月28日、七月革命は市街戦となって3日間続きました。この動乱で、国民の自由がやや解放されたと実感したドラクロワはこの作品を描きました。女神の左側でシルクハットをかぶり銃を手にした青年は、ドラクロワ自身であるという説もあります。真偽のほどはわかりませんが、ドラクロワがボナパルティストとしてこの革命に共感し、自らの姿を描き加えたのだという説は有力です。
 しかし、ここで自由の女神が三色旗を掲げて市民の先頭に立っている姿は寓意的で、いかにもドラクロワらしいところではないでしょうか。革命そのものよりも、激しい動勢を背景にして高揚する人間の感情そのものを主題にしているのがよくわかります。

 ドラクロワは、
「われわれが描くべきものは事物それ自身ではなく、その事物のごときものである。眼のためでなく心のために作り出すのである」
と言っています。劇的な躍動感がドラクロワ芸術の根源であり、生き生きとした人間群像と確かな描写力がこれを支えています。

★★★★★★★
パリ、 ルーヴル美術館蔵



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