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「ひわの聖母」

ラファエロ・サンツィオ (1507年)

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 A・マリア・ブリツィオが
「あらゆるアカデミシアンを満足させる構図の科学と同時に、もっとも庶民に受け容れられやすい美的調和とを同時に達成している」
と述べているように、ここには、ある種面倒な人間的な情はいっさい取り除かれ、ただ明らかなる神の恵みだけが描かれているのです。
 それは「自然の聖性」とも言われ、平俗ではないが、かと言って超越的でもない「神秘なき神秘」であるとされて、その相矛盾するような二つの感覚を通した、いかにもフィレンツェの巨匠らしい穏やかで高貴な作品となっています。

 これほど信心深い大衆に愛されやすい信仰画はないかも知れません。「美しき庭師の聖母」にもとてもよく似ていますが、ここに描かれた聖母マリアは、母であることが女性にもたらす成熟と落ち着きが、とりわけ洗練された線と、少しくすんだような色合いで表現されています。ふっくらと伏せられた瞼のふくらみのやさしさと穏やかさ、ちょっといたずらっぽいしぐさのイエスと聖ヨハネの無邪気な姿を両手でそっと包みこみながら、自身が今にもふわりと天に昇ってしまいそうな汚れないマリア…。
 いかにもマドンナの画家ラファエロらしい、一切の分析を許さないほど完璧な、典型的な名品です。

★★★★★★★
フィレンツェ ウフィッツィ美術館蔵



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