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「ロメーヌ・ラコーの肖像」

オーギュスト・ルノワール (1864年)

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「WebMuseum, Paris」のページにリンクします。

 赤い花を膝の上でキュッとつかんで、少し緊張しながら、まっすぐにこちらに視線を向ける少女の、利発そうな表情が印象的です。
 この作品は、ルノワールが職業画家の道に踏み出して、はじめて注文を受けて描いた肖像画です。少女の父親は、ルノワールが陶磁器の絵付師のもとで見習いをしていたころに知り合った、磁器の製造業者だと言われています。
 ルノワールは、その生涯において本当にたくさんの少女像を描いていますが、ごく初期の頃から、彼が描く少女はすでにこんなに瑞々しく、健康的で生命感にあふれていたことに、あらためて感動してしまいます。

 ルノワールは、いつでも描く対象を、深い共感とやさしさをもって見つめています。それは、生涯変わらない彼の姿勢でした。これは、ルノワール自身の性格そのものからきているのだと思われます。
 決して最初から順風満帆な画家生活ではなかったはずですが、彼の絵筆から生まれた作品には、少しの不満も暗さもありません。それは、ルノワールの人生に対する肯定的な精神の表れそのものだったに違いありません。

 一生涯、美しい作品を描き続けたルノワールの、いかにも彼らしい画家としての出発の作品です。アングルやコローの影響は感じられますが、ちょっとすましたロメーヌ・ラコーの生き生きとした輝きを再現できる画家は、やはりルノワール以外にはいなかっただろうと思います。

★★★★★★★
クリーヴランド美術館蔵



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